2025年09月26日

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【知らないと損する?】不動産売買の必須知識「登記事項証明書(謄本)」を徹底解説!

「不動産売買は難しい」「専門用語が多くてよくわからない」――そう感じていませんか?
特に、「謄本」という言葉を聞くと、「何かの証明書だろうけど、一体どんな役割があるの?」と首をかしげる方も少なくありません。

しかし、この謄本(正確には登記事項証明書)こそ、皆さんの大切な財産を守り、安全な不動産取引を実現するための「最高の味方」なのです。
今回は、不動産取引のプロとして、その重要性から見方まで、皆さんの疑問を一つずつ解消していきます。

1. 謄本と登記事項証明書、何が違うの?

まず、皆さんが最も疑問に思うであろう点からお話しします。

以前は「登記簿謄本」という名称が使われていました。
これは、登記簿が紙で管理されていた時代の名残です。
「謄本」という言葉自体は、「原本の内容を完全に写し取ったもの」という意味があり、いわゆるコピー(写し)です。
法務局に備え付けられている不動産登記簿のすべてを写して証明書としていたため、この名前が使われていました。
部分的な内容を写しとったものは、「抄本」となります。

しかし、現在は登記情報がコンピューターで管理されるようになり、紙の登記簿は存在しません。
代わりに、コンピューター上に記録された「登記記録」を証明する書類として、「登記事項証明書」という正式名称に変わりました。

現在でも「謄本」という言葉は広く使われており、不動産業界でも一般的に通じる言葉です。
この記事では、より正確な知識をお届けするために「登記事項証明書」を使用しますが、「謄本」と同じ書類だとお考えください。

2. 登記事項証明書は「物件の履歴書」

登記事項証明書は、土地や建物といった不動産の履歴書であり、国が記録・管理している公的な書類です。
誰がその不動産の所有者なのか、面積はどれくらいか、過去にどのような取引があったかなど、あらゆる情報が申請通りに記録されています。

なぜこの書類が重要なのでしょうか?

不動産に関する登記情報は誰でも取得でき、物件の「目に見えない情報」を正確に把握できます。
これは、あなたが中古車を買う時に、過去の所有者や事故歴を調べるのと同じことです。
安全な不動産取引には、この情報が欠かせません。

3. 登記事項証明書にも種類があるって本当?

はい、登記事項証明書にはいくつか種類があり、それぞれ記載されている情報が異なります。
不動産取引で一般的に使われるのは、以下の2つです。

全部事項証明書:
過去から現在に至るまでのすべての登記記録が記載された書類です。
不動産取引では、この「全部事項証明書」を使って物件の全体像を把握するのが一般的です。

現在事項証明書:
現在有効な登記記録のみが記載された書類です。
すでに抹消された古い情報は含まれません。
※共有者がいっぱいいる場合は、誰が今の所有者かすぐに分かります。楽です(^^;) 

このほかにも種類がありますが、不動産売買の際は、最新の情報に加え、過去の履歴も確認できる全部事項証明書を基本的には取得します。

4. 登記事項証明書は3つのセクションから成り立っている

登記事項証明書は専門用語が多くて難しく感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば大丈夫です。主に以下の3つのセクションに分かれています。

① 表題部:物件の基本情報
ここは、不動産の「顔」となる部分です。
所在地、地番、面積、建物の構造や種類(木造、鉄筋コンクリート造など)が記載されています。

【プロのチェックポイント】
公簿面積と実測面積に大きな差はないか?
謄本に記載されている面積が、測量して得られた実際の面積と大きく異なる場合があります。
トラブルの原因になることもあるので、注意が必要です。

② 甲区:所有権の履歴
このセクションには、誰が、いつ、どのような理由でその不動産の所有者になったかが時系列で記録されています。過去から現在までの所有者の移り変わりをすべて確認できます。

【プロのチェックポイント】
売主が本当に所有者か?
甲区に記載されている所有者の氏名と、売主の身分証明書が一致するか確認します。これにより、詐欺や無権限での売却を防ぐことができます。

短期間で所有者が何度も変わっていないか?
頻繁に所有者が変わる物件は、何か隠された問題がある可能性もゼロではありません。

③ 乙区:所有権以外の権利
ここは、所有権以外の権利に関する情報が記録されています。特に重要なのが「抵当権」です。
これは、住宅ローンを借りる際に、金融機関が不動産を担保として設定する権利のことです。

【プロのチェックポイント】
抵当権が設定されているか?
もし乙区に抵当権の記載がある場合、その不動産にはまだ借金が残っていることを意味します。
売買契約時には、売主がローンを完済し、この抵当権を抹消する手続きが必須となりますので、抹消が可能かどうかを事前に家訓する必要があります。

5. 不動産会社は「登記事項証明書」で何をしているの?

私たち不動産会社は、お客様に安心して取引していただけるよう、契約の前に必ず登記事項証明書を取り寄せて、細部まで確認します。
「物件の所有者は本当に売主か?」「余計な借金は付いていないか?」「記載された面積に問題はないか?」
これらをプロの目で徹底的にチェックし、リスクを排除します。

登記事項証明書は、皆さんが安心して不動産取引を進めるための「羅針盤」です。
もしこの書類の見方や記載内容について疑問があれば、いつでも福島不動産株式会社へお気軽にご相談ください。
私たち専門家が、皆さんの不安を解消し、安心の不動産取引を全力でサポートします。

6.おまけ

住民票や戸籍でも、謄本という言葉を使います。
世帯全員の住民票というと、住民票の謄本となり、本人のみ(もしくは世帯の中の特定の人)の住民票の場合は、住民票の抄本となります。
謄本→全部の写し、抄本→一部の写し、という意味になります。
※世帯が一人の場合は、謄本でも抄本でも変わりありません。 

現在は、紙ベースで書類を管理することが少なくなっており、データで管理することが増えておりますので、謄本ではなく「住民票記載事項証明書」が住民票の正式名称となります。
紙の場合は、「○○簿」となっておりましたが、データとなったため、「○○事項証明書」という形になります。 
 
戸籍の場合は、「戸籍全部事項証明書」(謄本)や「戸籍個人事項証明書」(抄本)となります。 
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